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被災地を歩く・東松島市野蒜地区 2013年04月10日 Travel:旅スナップ トラックバック:0コメント:8

矢本でのブルー帰還記念式典を見て、代行バスの時間が来たので移動することに。
松島海岸経由で仙台まで戻ってもよかったのですが、帰りの新幹線の時間までかなりあったことと
お昼時でちょっと寄っておきたいところもあったので、代行バスを途中で下車します。
下りたのは矢本からバスで20分ほどの同じ東松島市内、野蒜(のびる)地区。震災で津波の大被害を受けた場所の一つです。
街の中心部などはだいぶ元通りに見え、ブルーも帰ってきて活気のある矢本とは対照的に集団移転のために被災後の姿がほとんどそのままの野蒜地区。
震災から2年経ち、どのような状態なのか見ておきたくて少し歩いてみることにしました。
被害の様子が残る被災地ということで、民家の写真はなるべく避けました。こういう記事は苦手な方もいるかもしれないので、そういう方は今回は見ないでおいてください。

野蒜地区の前に、矢本の松島基地のすぐ傍の写真も。奥が基地滑走路です。手前に広がる空き地はすべて田んぼ。車があるところは畔状の農道です。
ごらんの通り、完全に水田としての機能を失っています。津波で冠水してしまい泥などで覆われてそれが乾いてしまってそのままなんでしょうね。
航空祭が開催される8月末頃は収穫を間近に控えた稲が金色に輝く、とてもきれいな場所でした。塩害もあるでしょう。まだまだ復興で余裕がなくいつ稲作ができるかはわかりません。
aj-IMG_0249.jpg

さて、矢本から代行バスに乗って野蒜地区へ。仙石線野蒜駅のバス停からさらに松島海岸へ戻った東名(とうな)駅で降ります。
そのまま野蒜駅方面へ戻る形に。万が一道に迷ってバスに乗り遅れるとまずいので、バスが通った道を確認して東名で降りました。
駅のすぐそばの踏切は休止中の文字。警報機だけが残っているのが不思議な感じでした。
aj-IMG_0344.jpg

その踏切から線路があった方、矢本方面を見ると東名駅のホーム。元々無人駅で簡単な待合室と、suicaの読み取り装置だけがあったはず。
しかしそれらはまったく姿を消しています。以前航空祭で仙石線に乗って矢本への往復、この東名駅を通ると無人駅なのに花がたくさんあったのを覚えています。
たぶん近所の住民の方が育てていたのでしょう。プランターがたくさんあった記憶があるのですが、もうその面影はなく色彩に乏しい風景になってしまっています。
aj-IMG_0345.jpg

仙台方向を見ます。電柱の駅の名前の標識が折れ曲がったままでした。線路はすべて撤去され架線もありません。
家は何軒か見えていますが、人の気配は感じられません。住んでいる人もいるはずなのですが、仮設住宅へ避難している人が多いのでしょう。
aj-IMG_0347.jpg

駅のすぐ南側には小さな運河があります。写真だと分かりにくいのですが、この運河の景色にすごく違和感を覚えました。
なんだろうと思って周りをよく見てみると、水位がずいぶん高く感じるのです。おそらく地震により地盤が沈下しているためだと思われます。
aj-IMG_0349.jpg

その地盤沈下を裏付けるのが運河の向こうの風景。実は運河の向こうは元々海ではありませんでした。
この写真で見える範囲はほとんどが農地だったようですが、地盤沈下と津波により冠水し水が引かないままになっているのです。
手前の運河の岸壁にある絵を見ても、半分以上水に浸かっていることで地盤の沈下が分かると思います。
aj-IMG_0350.jpg

ぐるっと回って、上の3枚目に写っている陸橋のところへ。高くなっているのでそこから景色を見てみることにします。
ここの道路は代行バスも通り、復興の工事用車両も通るのですが陸橋の柵は壊れたまま。
aj-IMG_0351.jpg

陸橋の上から運河の向こうを見渡してみます。霧があるため遠くまでは見えませんが、少なくとも見える範囲はやはり陸地だったようです。
ウェブに残っている以前の写真などと照らし合わせてみると、遠くにうっすらと見える大きな建物までの間に住宅が並んでいた模様。
今では冠水したまま戻らなくなっています。
aj-IMG_0352.jpg

運河沿いに野蒜駅方面へ歩いていきます。途中運河の護岸が崩れていて、土嚢で処置してありました。
写真には撮ってませんが、この運河の反対側、つまり自分がこの写真を撮っている背中側は住宅が点々と残っていました。
以前はもっと住宅があったのですが、100mおきくらいにしか残っておらず人が住んでいるのは数軒だけでした。
aj-IMG_0354.jpg

運河を渡る橋があるので、そこを渡って野蒜地区の海側のエリアへ。住宅があったこの地区はほとんどが流されてしまい更地の状態。
数百メートル先、大きな建物だけが残っていました。かんぽの宿松島です。右側はスポーツランドだった模様。どちらも閉鎖中です。
津波は半島状に海に突き出たこの野蒜の運河南地区を飲み込み、運河北側の山際まで迫りました。
大きな被害を受けた野蒜地区ですが、その存在が津波の減退を生み出し西側にある松島湾への津波被害を減少させました。
野蒜は壊滅的被害を受け今後の津波対策を考慮した結果、地区北側の高台へ集団移転することになっています。
aj-IMG_0355.jpg

そのなにもなくなってしまった野蒜地区に、ぽつんと立つかき小屋。震災前から営業していて、一度は店が流されたものの
去年の四月から再開したお店です。「海鮮堂」というこのお店、看板にあるとおり名物のカキを出してくれます。
被災地に来てこんなふうに店がやっているとは思いませんでした。前日にバスから見つけて行こうと思っていたのです。
ちょうど昼ごはんの時間、ここで食べることに。
aj-IMG_0356.jpg

本当はカキの鉄板焼きがよかったのですが時間がなかったのでカキフライ定食。
地元で撮れた新鮮なカキです。お世辞でもなんでもなく、これまで食べたカキフライで一番おいしかったです。
やはりカキは新鮮なものが一番なんですよね。味噌汁も地元の海苔が入っていたし、とにかくよかった。
aji-IMG_0266.jpg

お腹いっぱいになったのでまた運河沿いの道に戻ります。わたってきた橋の欄干。
ここら辺の橋はみなこうでした。津波により壊されたままの姿が残っています。
aj-IMG_0360.jpg

道沿いに、ちょっと不思議なもの。なんだろうと思ってよく見るとブロック塀の骨組みにあたる鉄骨と
その先にだけブロックが残っていたものでした。あとは全て流されたのです。そして塀があるということは
この草が生えているところはかつて家があったわけです。土台を残して流されてしまったのですね。
aj-IMG_0361.jpg

運河沿いの松は倒れているものも。残っている松の、葉っぱの部分分かるでしょうか。
下側は色が変わって枯れてします。浸水はあの高さまでいったということなのかもしれません。
aj-IMG_0364.jpg

さらに進むともっと護岸は崩れていました。すっかり倒された松の木もそのままです。
aj-IMG_0367.jpg

野蒜駅までやってきました。東名駅よりはちょっと大きめです。
駅にかかる架線柱は倒れたまま。
aj-IMG_0369.jpg

駅の構造物は破壊された姿を残しています。
そして線路は津波によって運ばれてきた泥が乾いた砂に覆われていました。
aj-IMG_0371.jpg

屋根やベンチはそのまま残っていますが、やはり架線柱は倒れたままです。
高台への集団移転に伴い、東名駅と野蒜駅も移されることが決まっています。
手が付けられない、というよりは移転先の工事を優先させるためにまだ片付けていないという状態です。
aj-IMG_0373.jpg

駅前の橋の欄干。下から大きな力で持ち上げられてへの字に曲がっています。
車がここに突っ込む形になったのか。分かりませんが、とにかく津波の力のすさまじさが分かります。
aj-IMG_0375.jpg

野蒜駅は地域のコミュニティセンターを兼ねた駅舎があります。建物は残っていましたが当然閉鎖されていました。
地元の方々が作った、支援ボランティアへの感謝と仙石線現ルート存続の垂れ幕。後者は実現されず、移転が決まってしまいましたが。
aj-IMG_0379.jpg

最後に野蒜駅の姿をもう一度。何年か前、航空祭の帰りに満員の仙石線に乗り、この駅で単線交換のため停車していました。
車内は混んでて暑いので、ホームに一度降りて待っていたところ、駅のすぐそばの家のお婆さんが
「ああ、今日は航空祭だったか。仙石線がこんなに混むなんて年に一回だからねえ」と
笑いながら線路越しにこちらに声をかけてきたのを覚えています。その直後、航空祭の外来で来ていたファントムと思われる戦闘機が
アフターバーナーの轟音を響かせながら上昇していくのが見えました。夏の暑い日の記憶にある景色が、もう戻らないと思うとやはり寂しいものがあります。
aj-IMG_0380.jpg

ここまで撮ってちょうどバスが来たので松島海岸まで戻り、さらに仙石線で仙台まで帰りました。
高台移転により新住宅地確保を優先するため、被害を受けた海の近くの地区は被災の姿をほぼ残したままです。
しかし高台での工事は行われていて、新住宅地造成の話し合いも進んでいるようです。JRが予定している平成27年の仙石線再開のころには
だいぶ新しい街もできているでしょうね。一応復興は進んではいるのです。
隣の矢本ではブルーも帰ってきて、復興の道筋がだいぶついています。反対の隣の松島町では被害が割と少なかったこともあって
仙石線も再開し観光地としての姿をほぼとりもどしています。一方でまで野蒜地区のように復興の最初の段階にいる場所もあるのです。
東京にいると、震災のころの雰囲気はまるでなく日常を取り戻していますが、被災地はまだまだなのです。
報道ではたまにしか取り上げられません。それもイベントごとが殆どです。野蒜以外にもまだ復興がそれほど進んでいない場所もあるはず。
自分のような個人ができることは限られています。でも矢本の商工会長は「とにかく被災地に人が来てくれれば、復興は少しでも進むんです
(だからブルーを見に来るのでいいから来てください)」と言っていました。8月にまた松島基地の開庁記念式典があります。
一般公開はされませんが、基地外周からブルーが飛んでいるのは見えるのでまた来ようかな、と思いました。

次回は仙台駅での新幹線。それで今回の旅行の写真は終わりです。
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テーマ:被災地にて - ジャンル:写真

コメント

頑張って営業してるカキ小屋・・・・
素晴らしいですね(*^_^*)

復興とは名ばかりの現状・・・・・・
もっともっと政治には頑張ってもらわないといけませんね。
  1. 2013/04/11(木) 17:53:07 |
  2. URL |
  3. 韋駄天 #lEPD.dko
  4. [ 編集 ]
この辺はカキや海草の産地だからね^^
絶対に美味いと思う^^

やはり実際に被災地を見ると強く実感が湧くよね^^
基礎だけが残った家の跡を見ると無念さがグっと湧いてくるんだ・・
被災地だけが日本から取り残されてる感じが震災から時間が進むにつれて広がってる気がするんだ・・^^・・・

観光目的はもちろん興味本位だっていいと思ってる^^ぜひ多くの人に来てほしいと思う^^
  1. 2013/04/11(木) 20:28:03 |
  2. URL |
  3. 23 #vL1oD/CQ
  4. [ 編集 ]
>韋駄天さん
状況は厳しいけれど頑張ってほしいものです。
松島海岸のほうででてくるカキよりずっといいんですよ。
政治の力もなかなか及ばない復興の領域です。
  1. 2013/04/12(金) 22:14:44 |
  2. URL |
  3. いわん #inD3Y4gg
  4. [ 編集 ]
>23 さん
被災地の思いというのはやはり当事者でないとわからない部分も多いんでしょうね。
こうして形がなくなってしまったもの、ということでないと我々にはなかなか理解しづらい部分もあります。
観光でもどんどん訪れて、お金を使っていくのがいいと思います。
  1. 2013/04/12(金) 22:57:38 |
  2. URL |
  3. いわん #mFHYLiiU
  4. [ 編集 ]
この地区は、私も去年行ってみて言葉がなかったところだなぁ~と。。
ただ、お店が1軒でもできたのて、ホントよかったなと思っています。
同じ被災地といってもいろいろと差があって、進み方も違うけれども、
とりあえず、現地にいってみるというのが一番大事なことかもしれないと思っています。
  1. 2013/04/13(土) 10:42:14 |
  2. URL |
  3. gilbert #-
  4. [ 編集 ]
>gilbertさん
野蒜地区は津波映像が残っていないこともあってか、あまり被害が語られていませんね。
松島町の被害が軽微だったのも、この地区の存在があったからなんですけどもね。
矢本や塩釜、松島町あたりとの復興の進み具合の差があるということはもっと知ってもらいたいものです。
  1. 2013/04/14(日) 22:57:15 |
  2. URL |
  3. いわん #inD3Y4gg
  4. [ 編集 ]
海鮮堂です。
海鮮堂の記事があってびっくりしました。
秋にはいくら丼もありますが、焼牡蠣をいつか、食べてにきてくださいね。
1500円で10から13個、入ってます。
店長は海に出ていていませんが。。。
よろしくお願いします。
  1. 2013/07/05(金) 16:43:16 |
  2. URL |
  3. 海鮮堂です。 #-
  4. [ 編集 ]
>海鮮堂さん
コメントありがとうございます。記事を見ていただけるとは光栄です。
何もかもなくなってしまったと思っていたけど、お店がやっているのを見てとても心強く感じました。
カキフライはとてもおいしく、これまでに食べた中では間違いなく一番でした。
夏にまた松島基地のほうへいくかもしれないので、その時には寄らせてもらいます。
  1. 2013/07/12(金) 00:00:44 |
  2. URL |
  3. いわん #uSS/mxT6
  4. [ 編集 ]

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